友人の素敵な演奏に感激!武満徹の作品の味わいに感心!
私が編曲した歌が初演されました。
今年の5月-6月にかけて、歌曲、武満徹「小さな空」をソプラノとバリトンとピアノのために編曲しました。その後、10月に関西でソプラノと、バリトン新見聡氏、ピアノ塩飽喜子さんによって初演され、この度、11月4日(土)東京の門前仲町にあるシンフォニーサロンという音楽サロンで再演されました。
プログラムにはバッハ、ヘンデル、ベッリーニ、そして木下牧子さんの明るい朗らかな歌曲が並び、「小さな空」は最終曲の大トリに組み込まれました。演奏会が終わる寂しさに、少ししんみりとした歌詞とマイナーコードで終止するメロディを持つ明るいワルツが、ちょっぴり悲しみのある明るい印象を添えることになりました。
演奏では、私が細かく書き込んだ和音のニュアンスをしっかり表現していただきました。私が楽譜に書き込み切れなかったフレーズの段落の絶妙な間までもきめ細かく表現していただきました。再演だけにとてもゆとりのある落ち着いた充実した演奏で、会場には幸せな雰囲気が満ち溢れました。
武満徹さんの音楽は、演奏するのが楽しいと言う演奏家のファンが多いと聞きます。確かに、武満徹は国内外の演奏家と親交を持ち、作曲者と演奏者とがお互いにアイディアを出し合いながら新しい音楽を模索し初演していきました。その結果生まれる作品は、思わず意欲的に演奏したくなるような(歌いたくなるような)魅力が多分に含まれるでしょう。時には、演奏に挑戦しがいのある難易度の高い難しい曲も生まれるかも知れません。いずれにしても晴れてその曲が演奏された際は、作曲者と演奏者が双方が幸せな気持ちになり、それに立ち会う聴き手も充実した気持ちを感じ取れることでしょう。とても尊いことだなぁとしみじみ感心しました。
現代音楽を学び、音楽を作る意味・音楽を演奏する意味を模索して来ましたが、その解答の一つが正にこの充足感ではないでしょうか。今回の「小さな空」の編曲とその初演は、私にとって非常に感慨深い体験となりました。
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